用事で出かけた帰り、ちょっと寄り道をしてフキ(蕗)を摘んできました。まだ小さいので、やわらかです。今日食べる分だけを少し摘ませていただくという感じなので、欲張りません。ヨモギとフキを摘んで、帰宅。水上勉さんの「土を喰う日々」を読むと、季節のものを味わう楽しみに満ちあふれていて、ときどきハッとさせられるのです。たしかにスーパーにいけば何でも並んでいるし、レストランでは先取りした季節季節のものを楽しめるけれど、なにかもの足りないというか。
そんなこんなを思いつつ、フキの葉を落として茎だけを洗い、まな板に並べて塩をふり、手のひらで向こうに手前に行ったり来たり。これが
板ずりです。摘み立てなので、これをさっと湯がいたら下処理は終わり。きれいな翡翠色になります。肝油ドロップみたいだなあといつも思うのですが、もしかしたら私の記憶にある肝油ドロップだけがこの色なのかもしれません。
大きさが分かりにくいですが、鉛筆ぐらいの長さ太さの茎です。あ、もっと細い(笑)。
摘んだフキは、その切り口からすぐに黒ずんできます。指を見ると、フキを折った指先はアクで黒ずんで…。春はえぐみのあるものを食べたくなるんだそうです。人間のからだがそうできている、と。あく抜きしたフキはさっと出汁しょうゆで煮て、お弁当に入りました。